スクナヒコナってどんな神さま?
スクナヒコナ、スクナビコナとも言い、少名毘古那神、少彦名命と書きます。
スクナヒコナはキャラクター的にとても面白い神様なんですよ。
小さな小さな神様です。
天の羅摩船(あめのかがみのふね。ががいもの殻、10センチくらいのちょうど船の形になる殻)に乗って、海の向こうから輝きながらやってきたというのだから、なかなかインパクトがあります。
性格は明るくいたずら好きでユーモラス。
豊かな知識と知恵で、困難をみごとにクリアしていきます。
そして、やってきたことはかなり大きくて、
出雲国の体の大きい(私のイメージ)大国主命とペアを組んで、なんと日本各地をめぐって国づくりに携わりました。
体は小さいんですけど、スケールは大きいんですよ。
このキャラ、何かにちょっと似ていませんか?
そう、昔話の一寸法師のルーツともいわれています。
体は小さいのに、愛嬌があって、勇気と知恵があって、まさにって感じですよね。
国づくりを終えた後、「あばよ!」と言わんばかりに、粟の茎に上り、びょーんと跳ね飛ばされるようにして、ふたたび常世の国に帰っていきます。
どこの誰だか知らないが、常世の国からやってきて、日本の国土を笑顔で作っていった。小さい体で大きな事業!頼り甲斐のあるヒーロー、スクナヒコナ!彼は、今日もどこかで誰かを助けているだろう……完!
なーんて一昔前のアニメか特撮を彷彿とさせます。(私のイメージです)
親は、造化三神(まだこの世に何もない状態で、初めの方に生まれ出た3人の神様)の「カミムスヒ」。「わたしの指の間からこぼれ落ちた、私の子供だ。」なんていうんですから、生まれも血統書付きです。大地母神であるカミムスヒの手からこぼれ落ちたところに、もしかしたら何か意味があるのかもしれませんね。
ユーモアな話としては、大国主とくだらない勝負をしていたことがあって、
「大便を我慢するのと、土を背負っていくのとどちらが大変か?」という勝負をしてるんです。
まったくどうでもいい勝負です笑
結局数日後、大国主が我慢できずに大便をしてしまい、同時にスクナヒコナも土を放り投げたって言うんですから、まあ、なんだか子供みたいなことやってます笑(『播磨国風土記』)
かと思うと、暮らしに役立つことを広めたのもこの神様です。
スクナヒコナの功績
・大国主とコンビになって国土を開発した
・人々や家畜のために病気の治療の方法を定めた
・お酒は百薬の長、酒の消毒力や薬効を広めた。
・道後温泉を開いた
温泉にまつわるストーリーは……ある日、病気になったスクナヒコナが温泉を発見、湯に浸かると病気が治ったことから温泉を開いたそうです。それが今の道後温泉だとか(『伊予国風土記』)
ご利益は?
病気平癒、長寿、酒造・醸造、海上安全・大漁万足、知恵の神、温泉の神、商売繁盛
おすすめの職業は?
・開発、プロデューサー
大国主と全国をめぐって、最先端の農業の技術を広め国土を開発したのがこのスクナヒコナ。
農業だけではなく、新しいビジネスを開発する人、知恵で事業を動かすプロデューサーにおすすめです。
・医師、看護師など医療関係に従事する方
万人の病難を救う霊力があるのがこのスクナヒコナ。医療の神様ですから、ぜひ医療関係の方全般におすすめです。
・温泉に関わる人
温泉の産みの祖ですから、温泉事業に関わっている方はぜひぜひ。
・酒業の方
松尾大社の御祭神は大山咋神(おおやまぐいのかみ)も有名なお酒の神ですが、そちらと比べると、スクナヒコナは薬酒の意味合いが強いかな。養命酒的な。
でもお酒に関わる方、健康的にお酒を飲みたい方はスクナヒコナへおまいりを。
スクナヒコナが祀られている神社
酒列磯前神社(茨城県那珂湊市)
大磯磯前神社(茨城県東茨城郡大洗町)
北海道神宮(北海道札幌市)
大神神社(奈良県桜井市)
少彦名神社(神農さん)(大阪府大阪市)
少彦名神社本殿(静岡浅間神社内)