大きな困難に立ち向かうあなたに手を差し伸べる【スサノオノミコト・神さまのお話】



今回は素戔嗚尊(スサノオノミコト・以下、スサノオ)のお話です。

スサノオの名前なら聞いたことがある人も多いのでは?

スサノオは出雲国を治めた王様です。ヤマタノオロチを退治した人、というとイメージが沸きやすいかもしれないですね。

私の中では大好きな神様の一人です。
古代日本を統治していた大王なんですよ!

今日はそんなお話。

天津神・国津神

スサノオは国津神とされています。

国津神ってなんぞや?ですよね。

古事記・日本書紀では、主に出雲国を治めた出雲系の神様を『国津神』とよびます。この『国津神』というのは元々地元に根ざして暮らしていた、要するに日本の先住民族だと言われています。

民族(人種?)的には、縄文人。
ゴツゴツとしたクッキリとした顔、手足が長く、髭が濃く、狩猟や漁で暮らしを立てている人たちでした。

そして高天原からやってきた天皇一族は「天津神」と呼ばれます。こちらは大陸からやってきた民族で、弥生人系列。弥生人はのっぺりとした顔で、農耕を主に営む人たちです。

なので、国津神と天津神のやりとりは、先住民族と大陸からやってきた新たな民族との戦いの歴史でもあるんです。

スサノオノミコトは二重人格?

スサノオはその「国津神」の中でも一大勢力を誇っていた出雲一族を代表する人物です。

イザナギが黄泉の国から帰還し、九州の阿波岐原(あわぎのはら)ので禊をし、鼻を洗った時に生まれた子供です。男親から生まれてるんですね〜。不思議。

黄泉の国についてはこちらのイザナミのお話を参照。



一緒に生まれたアマテラス・ツクヨミと共に「三貴神」と呼ばれ、生まれてすぐ尊い人、なんて父から賞賛されるのですが、その後、担当として割り当てられた海を治めず、「お母さんに会いたいー!」と泣いてなんにもいうことを聞かない、暴れん坊として書かれます。

いや、あなたお母さんから生まれてないでしょうに……

というツッコミは無視されます。

神さまが暴れるととんでもないことが起こるようで、スサノオが泣き叫ぶと山が枯れ、川や海が干上がり、悪い神がうようよとハエのように満ちるように、あらゆる妖(わざわい)が起こったと書かれています。

ようするに、すごく迷惑をかけていたようです。

そしてついにはイザナギに高天原を追放されてしまいます。

その後、母のいる黄泉の国へ行く前に、よせばいいのに姉・アマテラスのところへ挨拶に行っておこうと思い立ちます。

ところが、地震を起こしながら近づくスサノオを警戒した姉、アマテラスは武装して対立します。

ここで誓約(うけい)という占いをして身の潔白を晴らすのですが……

なぜかまたいい気になって暴れ出すんですよねー。
このひとの性格がよくわかりません。
そこでまたアマテラスのいる国を追い出されてしまいます。

ここまでは、とんでもヤローのスサノオです。

ヒーローのスサノオ「ヤマタノオロチ退治」

罰を受け、出雲に降り立つと、ここからは突然ヒーローの活躍を見せることになります。

出雲に降り立ったスサノオは、そこで困っている親子に出逢います。どうやらこの村を襲うヤマタノオロチ(首が8個もある大蛇)に娘を差し出さなければいけないとのこと。

「よし、ではヤマタノオロチを退治するから、その娘を嫁にくれ」

なんだか乱暴な条件ですが、ヤマタノオロチよりはいいと思ったんでしょう。
両親は快諾します。
そして大きな樽に酒を用意させ、大蛇がその酒を飲んで酔っ払っているところをやっつけました。そしてオロチの尻尾からは「天叢雲の剣(あめのむらくものつるぎ)」をゲット!
RPGばりな大団円を迎えます。

さて。

このように前章とは一転し、オロチの章では美しい姫のため、知恵をこらして勇敢に戦うヒーローとして描かれます。

そこで国を築いてめでたしめでたし。

いや、前半と後半のこのギャップはなに!

でも!語り出すと長くなるので省略しますが、わたしはこのヒーロー像を信じます✨

(前回のイザナミのように、高天原に叛逆し出雲国を打ち立てたと考えると、前半の暴れっぷりも納得がいきますよ)

スサノオのご利益

さて、スサノオのご利益は、あなたの成長❗️

何か悩んでいる時にはスサノオさまのいらっしゃる神社に行って、ぜひお参りしてみてくださいね。

スサノオは当初誰にも理解されなくて苦しんだ人。勝手に発達障害の気でもあるのかなと考えているのですが、本人の思惑とは違い、多大な誤解を受けてきたのかもしれません。

そし後半では、自ら、ヤマタノオロチという大きな困難に立ち向かって行きました。
さらに、将来の子供達のために、木を植えて歩いた、という話もあり、さらには日本初の和歌を歌った人とも言われています。

やっぱりギャップの人。

ヒーローとはいえ、なかなかの苦労人であったことが窺われます。

人に理解されなかったり、悩みを持ちながらも、目の前にある大きな困難に立ち向かうあなたには、きっとスサノオさまが手を差し伸べてくれますよ。

スサノオが祀られている神社

八坂神社(京都府)

 全国2651 社ある八坂信仰の総本社。京都に行ったらぜひ行きたい神社のひとつ。

氷川神社(埼玉県)

明治天皇が即位後、皇祖神アマテラスのいらっしゃる伊勢神宮より先に参ったと言われる氷川神社。そのご利益の力が期待できます。

須佐神社(島根県)

「霊能者の間では有名なパワースポット」のようです。かの江原啓之さんも「僕にとって本当に特別な場所」「須佐神社こそが日本一の神社」と著書で語るほど。(江原啓之著『神紀行2 四国・出雲・広島』)大杉さんと呼ばれる巨大な御神木は必見。

熊野本宮大社(和歌山県)

白河上皇が熊野詣で……熊野本宮大社への参拝後、藤原氏が弱体化、院政を開始し天下の実権を握ったそう。スサノオのご利益はさすが。

津島神社(愛知県)

古くは津島牛頭天王社と呼ばれる。天王祭のだんじり船が有名。

その他、牛頭天王社にはスサノオ尊が祀られています。

石見神楽

島根県石見市に伝わる伝統芸能、石見神楽(いわみかぐら)では、スーパーヒーロー、スサノオがヤマタノオロチと戦う場面が舞われます♪

YouTubeでも見ることができるので、興味がある人は検索して見てみてくださいね。

わたしも一度見てみたいなー。

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この記事を書いた人

teracchi

神社の神さまのお話と、お仕事と日々の徒然とごった煮ブログ。

お仕事はアニメ動画シナリオライター
『神さまアロマ』の神さま担当&広報担当
ペライチ認定サポーター、ペライチLOVE❤️

静岡お茶の町掛川在住。
すでに働いている子ども二人と旦那ひとりの四人家族。

工場のおばちゃんをやめて、
アラフィフはやりたいことをやって人生を謳歌してます。

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